鉛筆画を中心に作品制作しています。
今回は、
初心者・鉛筆の削り方
「美のカケラ」
鉛筆の美しい色を得るためには、鉛筆の削り方に注意することがとても大切!繊細で大胆な表現を目指して削りまくろう。 |
鉛筆の選び方については、
「初心者・鉛筆の選び方」でお話ししましたので、
ここでは、いかに描きやすくするために鉛筆を削るかを、
お話ししていきたいと思います。
普段、鉛筆を削る場合、
鉛筆削り器やカッターを使っていると思いますが、
鉛筆画には、
色々な削り方ができるカッターの方がとても便利です。
削り方は、
どのような描き方をするのかによって、
大きく変わります。
スピードのある太めの線でドローイングするとか。
芯先を尖らせて細部を緻密に描くとか。
弱い力でうっすらと淡い色を乗せていくとか。
明暗をグラデーションで徐々に変えていくとか。
しっかり黒く塗りつぶすとか・・・。
多くの方の場合、
同じ形状に削った鉛筆で、
硬さ(H/F/B)を変えながら、
描き分けているようです。
私の鉛筆画の場合は、
鉛筆の種類はHBだけを使い、
7種類の削り方で描いていきます。
(構想用4種、描画用3種)
HB、1種類しか使わない分、
削り方を変えることで、
明暗や質感の違いなど、
様々な場面に合わせて描き分けることができます。
私の方法は、
みなさんが思っていた鉛筆の削り方とは少し違うかもしれません。
しかし、
綺麗な鉛筆色や鉛筆自体の持ち味を最大限に引き出すために、
この方法を是非とも試してみてはいかがでしょう。
もちろん、すでに、
目指す鉛筆画の表現方法に合った、
鉛筆の削り方を見出しているかもしれません。
ですが、あえて、
こんな方法もあるのかと、
一度、試してみるのもいいかもしれません。
きっと、新しい鉛筆の色に出会えると思います。
鉛筆を削る道具は、カッターを使います。
手になじむものであれば、どのようなものでも構いません。
今回ご紹介する方法では、
鉛筆の種類はHBだけです。
柔らかくもなく、硬くもないので、
とても削りやすいと思います。
また、
色々な種類の硬さも使わないので、
HBの鉛筆、1種類にだけ慣れて頂ければ大丈夫です。
ですが、この削り方は、
芯先までかなり細く削るので、ボキボキ折れやすくなります。
削りやすい手順をご紹介しますので、ゆっくりと試してみてください。
また、
削る際には、切れ味の良い刃を使う必要があります。
そこで、
切れ味鋭いチタンコートの刃を使うことにしましょう。
他の刃と比べ価格はやや高めですが、
鉛筆自体がボキボキ折れて消費してしまうことを考えれば、
結果、リーズナブではないでしょうか。
鉛筆の芯先が折れる時は、大抵2mm〜5mm程度が折れてしまいます。
木の部分を削り、芯先を慎重に削り進んだのにポキッ!
折れてしまうと、結構、心も折れるので😂
ところで、カッターの刃ですが、
皆さん、以外と交換するタイミングが遅いのではないかと思います。
鉛筆は主に、黒鉛(グラファイトgraphite)と粘土でできています。
(「鉛筆の選び方」を参考にしてみてください。)
黒鉛は、ダイヤモンドや石炭の仲間(同素体)ですから、実は硬いのです。
粘土と一緒に練って成形しているので、
柔らかい感じもします。
しかし、成分はとても硬いので、
あっという間に刃がなまってしまいます!
切れ味が劣化した刃を使い続けると、
鋭く削れず、結果また、ボキボキ折れてしまうことになります。
こまめに交換(刃先を折る)することを勧めます。
私の場合は、
20本〜25本削ったら交換(刃先を折る)するようにしています。
目安は、
刃先から引っかかる音がしているうちは大丈夫ですが、
こすれるような音や、滑るような音になったら交換時です。
まずは、
構想を練る時やクロッキーを描く時に使う「構想用鉛筆」と、
本番の時に使う「描画用鉛筆」の2つに分けておきます。
項目 | タイプ | 使用概要 |
構想用 | 一般的な鉛筆の削り方で、先の部分を丸くしたタイプ | 黒く塗りつぶす場合、黒く強い線で描く時。 |
ごく一般的な鉛筆の削り方 | 一番一般的に使うタイプ。 | |
やや細めに削ったタイプ | やや細かい作業時。 | |
かなり細く削ったタイプ | 寸法出しや質感を試す時。 | |
描画用 | ①先まで細く削ったタイプ | 描画の基本はこのタイプを使います。 |
②先だけ細く削ったタイプ | 濃くて細い線の場合に使います。 | |
③先が細く長く削ったタイプ | 薄い色やグラデーションなどで活躍します。 |
今回は、
始めるにあたって基本の削り方となる
構想用の「ごく一般的な鉛筆の削り方」
描画用の「①先まで細く削ったタイプ」と
「②先だけ細く削ったタイプ」をご紹介します。
構想は、自由に発想を羽ばたかせるための作業ですので、
必要と思えば、
他の用具(色鉛筆、絵の具、墨など)でも
何でも取り入れてみてください。
鉛筆を使うのであれば、
この構想用の削り方は簡単です。
鉛筆削り器のような形状にカッターで削れば、OKです。
鉛筆削り器でも大丈夫かも。
描画用の削り方は3種類になります。
先に向かうに従って、徐々に細くなるタイプ。
先端だけを針のように細くしたタイプ。
先に向かうと細くなりますが、その細い部分が長いタイプ。
それぞれに得意不得意がありますが、
初めは、①番と②番の削り方を覚えていただきたいと思います。
描画用で通常良く使うタイプは①番と②番になります。
慣れないと、面倒だと感じるかもしれませんが、
削る本数を重ねるうちに、手際よく削ることができ流と思います。
トライしてみてください。
まずは、①番の削り方
①番は、先に向かって細いタイプです。
描画作業の基本となります。
通常カッターで削るようなやり方ですと、
芯先部分がポキポキ折れていまします。
下記の表に示した順番で削ってみてください。
初めは慣れないので、力を入れすぎて折れてしまいがちですが、
力の入れ具合をコントロールしながら、
ゆっくり取り組んでください。
カッターの刃先は、2段目まで出します。
それ以上出すと、
”刃のしなり”や”持ち手のガタつき”で、
刃先が安定せず削りにくくなります。
順番 | 項目 | 概要 |
A | 芯を出す(1.5cm) | 木の部分を削り、芯を1.5cm程度出すようにします。
カッターは鉛筆に垂直。 |
B | 先細にする | 出た芯の部分を先に向かって徐々に1/2の細さになるまで削ります。
カッターは鉛筆に対して斜めに当てます。 |
C | 先を平らにする | 先から10mmの部分だけを、先に向かって徐々に平らになるように削ります。一面を削ったら180度返して、また平らに削ります。
カッターは鉛筆に垂直。 |
D | 針状にする | 平らな面を縦方向にして、先の中心に向かって細くなるように削ります。180度返して同じように削ります。
最後に、力を抜いて軽く整えます。 カッターは鉛筆に対して斜めに当てます。 |
②番の削り方は、先だけ細いタイプの削り方です。
色が濃く、線も細い場合に使います。
この描画に、①番の削り方の鉛筆を使うと、
力を入れて描こうとするとポキポキ折れてしまいます。
②番であれば、力を入れても折れにくいので、
濃くて細い線が得られます。
順番 | 項目 | 概要 |
A | 芯を出す(1.5cm) | 木の部分を削り、芯を1.5cm程度出すようにします。
カッターは鉛筆に垂直。 |
B | 先細にする | 出た芯の部分を先に向かって徐々に1/2の細さになるまで削ります。
カッターは鉛筆に垂直。 (ここまでは①と一緒です) |
C | 先を斜めに落とす | 先から5mmの部分だけを先に向かって回しながら削ります。斜めに落とす感じです。
カッターは鉛筆に対して斜めに当てます。 |
D | 針状にする | 芯先が細くなったら、最後に、力を抜いて軽く整えます。 |
慣れないうちは、力の入れ具合や、
カッターと芯との当てる角度が不安定になって、
芯先が折れやすくなります。
目で見ながら削るというよりは、
手の感触や削り音に注意して削ってみてください。
いかがでしたでしょうか。
この削り方をした鉛筆の具体的な描画方法については、
「初心者・鉛筆の描き方」(製作中)でご紹介したいと思います。
では、またお会いしましょう。
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